2019年11月号の【かながわ経済新聞】「10月に取材した県内の独創企業」にステラ技研(株)(相模原市緑区町屋1-17-26)が紹介されました。
転落リスクも防止 壁の垂直移動、スムーズに
ステラ技研(相模原市緑区西橋本、TEL042.783.4235)は、ゴンドラによる高所での作業で、転落事故防止につなげる「ゴンドラ振れ止め装置」を開発した。電気で真空状態を作り出すことで、壁に垂直方向にピタリと吸着する独自開発のパッド「タコパッド」を用いる。このパッドを複数台搭載した回転体をゴンドラに取り付ければ、昇降や固定がスムーズにできる動力源にもなる。2020年春の製品化を目指す。
高所での作業時、ゴンドラでの移動はロープで吊るしながら昇降する。しかし突発的な強風などに見舞われると不安定になり、最悪の場合、落下につながるケースもある。実際、転落事故も後を絶たない。
そこで同社は「ゴンドラ振れ止め装置」を開発。現在、製品化に向けてゴンドラ生産会社と検証している。
同装置の肝は、10年ほど前に開発したタコパッド。コンクリートやモルタル、タイル壁など、表面に凹凸があっても吸着して頑丈に固定できるもので、1台で100キロ以上の荷重にも対応する。
また、このパッドを複数搭載した回転体をゴンドラの動力として回転させることで、昇降が自在にコントロールできる。
製品化した場合、1台150万円程度を想定する。高所での作業が必要なインフラ点検やビル工事、外壁塗装など「壁面を垂直に移動する」という用途なら、この技術をベースにあらゆる装置・システムが開発できるという。具体的には、ロボットを積んだ箱に同装置を設置し、遠隔で動かすような点検システムも可能になる。
「(この技術は)さまざまな新市場の創出につながるプラットフォームになります」と林健治社長。今後の普及に期待している。
「ゴンドラ振れ止め装置」を開発
(かながわ経済新聞11月号4面掲載)