2018.12.11

(有)小松屋が【かながわ経済新聞】に掲載されました

平成30年12月号の【かながわ経済新聞】に(有)小松屋(緑区青山378-5)が紹介されました。

■【産業あるある情報】(有)小松屋

次世代三味線で世界へ

窮地に立たされている業界を盛り上げようと、三味線製造の小松屋(相模原市緑区青山、TEL042.780.8518)が勝負に出た。人気ゲーム「ファイナルファンタジー」で知られる世界的イラストレーターの天野喜孝氏がデザインした”次世代三味線”を開発。従業員数3人の同社が世界市場に挑む。クラウドファンディングで資金を募り、11月にロンドンで開かれた英国最大級のジャパンフェスに出展。三味線とキャラクターのコラボが注目を集め、海外普及へ一歩前進させた。

低迷する業界を救え

三味線市場は低迷の一途をたどる。同社の小松英雄社長によると、最盛期は年間3万~5万丁生産されたが、今では5000~1万丁程度。愛好家の平均年齢も70歳代と高齢化している。このままでは日本から三味線の音楽文化、そして業界が消えてしまう―。そんな危機感から、小松社長は4年ほど前に、オリジナル合成皮「リプル」を開発した。

■動物の皮使わず”本物の音“
三味線は独特の音色を出すために、胴部分に犬猫の皮を使う。今は昔と違い、外国産の犬皮やカンガルー、ヤギ皮などが用いられるが、世界的な普及を考えると、動物愛護の面で批判を受けかねない。そこで開発したのが合成皮の「リプル」だった。本物の音に近づけるために、小松社長は6年間も開発に没頭。無理がたたり入院したこともたびたびあった。

現在はこの「リプル」を使用した三味線を製造。通常は30万円以上するという三味線だが、2万円台から購入できる製品をそろえ、普及を図っている。

伝統×キャラのコラボ

■アニメ文化との融合
次なる目標は海外。国内では愛好家が減少しているものの。海外で三味線は注目されており、輸出も増えている。訪日外国人観光客に対しても需要がある。

そこで着目したのが、日本が世界に誇るアニメ文化との融合。「アニメに関心を持つ外国人のみならず、日本人の若い世代にも三味線に興味を持ってもらえます」と小松社長。そんな同社に対し、天野氏が共感。今回のコラボが実現した。

開発した次世代三味線は印刷可能な合成皮「リプル」に、天野氏がデザインしたキャラクター「シャウラ」が描かれた。11月から発売。クレジットカードやインターネット決済サービス・PayPalに対応した「楽天グローバルマーケット」などを通じ、外国人からの購入を増やしていく。

さらに、クラウドファンディングで資金調達し、ロンドンで開かれた「Hyper JAPAN」に出展。現地でも注目を集めた。「海外で人気が出れば、いずれ日本でも話題になります」と小松社長。三味線業界の復活に向けた挑戦が始まった。

(かながわ経済新聞12月号8面掲載)

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