2020年4月号の【かながわ経済新聞】にコーワ機械(株)(相模原市中央区田名塩田1-14-10)が紹介されました。
軟質素材、機械加工で3次元形状に
ウレタンフォームなど
コーワ機械(相模原市中央区田名塩田、042.778.0585)は、通常のマシニングセンタを使って、ウレタンフォームなどの「軟質素材」を三次元形状に加工する技術を開発した。少量多品種の製品で、型を使わず軟質素材の高精度な加工が可能になるとしており、今後は用途開拓を進めていく。
同社は自動車の車体部品生産用のプレス金型の部材を手掛ける企業。日産自動車や日産車体、いすゞ自動車などと直取引をする。生産する金型用部材は、鋳物や鋼材を機械加工して仕上げている。日産からの信頼も厚く、一つの複雑な金型を分業して製作する、日産独自のJIT(ジャストインタイム)品の生産も受けている。
こうした中、高以良勝義社長は「これまで培ってきた機械加工の技術を、自動車の内装品などの他分野にも生かせないか」と考え、地元・相模原市の中小企業研究開発補助金を受けながら軟質素材の加工に着手していた。
型を使わず少量加工
■仕上がりに自信
軟質素材は機械でまっすぐに切ることはできるが、型を使わずに三次元形状にする発想はなかったという。ただ、鉄などの硬い材質とは違い、ウレタンフォームといった柔らかい材質は機械加工にかけると「素材自体がボロボロに壊れてしまいます」(高以良社長)とし、最初は困難を極めたという。
ただ、改善に改善を重ねていった結果、素材特性や加工後にどう使われるかを考慮した切削条件を設定することで実現した。「型で作ったような仕上がりです」(高以良社長)と自信を見せている。
ウレタンフォームのほか、ポリエチレンフォームやウレタンゴムにも対応。すでに噂を聞き付け、他業界から同加工に関する相談も寄せられているという。
(かながわ経済新聞2020年4月号7面掲載)