(2024/4/15訪問)
こんにちは、あるです!
今日は天気が良くて、日差しが眩しいほど。
緑区の長谷川農園さんを訪ねました。長谷川さんは、主に「不耕起栽培」という方法で野菜を栽培してるんだって。
どんなお話が聞けるのか楽しみだな~!
長谷川さん「こんにちは。今日はよろしくお願いします」
さっそく畑に足を踏み入れます。
長谷川さんの畑は、雑草の部分と作物の部分が一見して分からない、原っぱのような畑でした。
「この畑では、泥だらけになることはありませんよ」
ここは、どんな畑なんですか?
7区画ある畑の1つです。ハタサロというサロンで使っている畑です。
ハタサロについて
ハタサロとは、どんな活動なんですか?
「30人のサロンで、土をいじったり、種を取ったり各々の農作業ができるコミュニティサロンです。今年で3年目の活動です。月1度、土・日曜日に活動しています。自然の中で一緒に活動するなかでお互いの悩みを相談したり、とても良いグループになっています。土をいじることが好きだけれど普段できない方や、子どもに土いじりを体験させたりする方もいます。たまたま最初に声をかけた場所が都内だったため、都内から車で通って来るメンバーが多いですね。」
※新規メンバー募集は今はしていないそうです。
「これはバイオネストという天然のコンポストです。ハタサロのメンバーが協力して作りました。
野菜のくきや花びらなど、有機物ならば何でも入れて大丈夫です。」
これが肥料になるんですか?
「肥料というのは、作物に栄養を与えるもので、これは良い土を作るためのもの(たい肥)です。」
少し土を掘ったら、ミミズが飛び出てきました!ミミズが土をかき混ぜて、そのふんが土の分解を助ける役目をするそうです。
そういえば、良い土にはミミズがたくさんいるって聞いたことがあるなぁ。
「良い土を作るのに大切なのは、程よくかき混ぜることと、温度を20度~30度に保ち、水分を逃がさないこと。そうすることでフワフワの土になります。」
この実はオクラですか?
ぼく…オクラが木のように大きくなることを知りませんでした!
「これも、ハタサロのメンバーのものです。もう枯れているので、種を取る段階です」
「実りが良い、大きな実をつける良い木から種を取っていくと、それが次世代につながっていきます。一方で、生育が悪い木をはじいていいのか、という考え方もあります。そういう自然を受け入れたり、また、比べたり、実験したりするのもメンバーの考え方次第。楽しく活動してもらっています。」
長谷川さん「本当はやりたくないんだけど、こういった防草シートも使っています。これを使うことで、2~3年掛かる土壌づくりが数カ月でできあがるので、サロンの活動期間(1年間)を考えると使わざるを得ないんです(苦笑)
そのへんはこだわり過ぎずに、柔軟にやっています。」
苗植え作業中の近藤さんに突撃!
こんにちは! 長谷川農園のスタッフさんですか?
近藤さん「いえ、この近所で家庭菜園をしている者です。ご縁があって、農園を手伝っています。」
「私は自然にこだわったものを食べたいので、有機野菜や不耕起栽培に興味がありました。自分だけでは解決できない知識などを長谷川さんに教えてもらえて、とてもためになっています。不耕起って難しくて…せっかくこだわって作っても(実らなくて)食べられなかったら悲しいですから。ここにお世話になったことで、いいとこどりができています。」
長谷川さん 不耕起栽培への想い
農家を始める動機って、美味しい野菜を作りたいとか、ブランド野菜を作って稼ぎたいとかいろいろとあると思いますが、私の場合は食料問題でした。以前、海外を飛び回ってサッカーのコーチをしていたときに、シリアやブラジルでお腹を空かせた子たちに会い「サッカー以前の問題」に直面しました。
シリアは砂漠地帯なんです。畑を作り過ぎたせいで土地がやせ、農業が衰退したという話を現地で聞きました。砂漠化が進んだシリアでは、畑を作ったとしても、自然にまかせたままでは十分な栽培をすることは難しいようでした。このままでは作物を作ることができなくなるんではないかと。
日本でも決して遠い話ではなくて、この間、千葉で風の強い日に砂ぼこりが視界が無くなるほどに舞ったニュースがありましたよね。あれは、耕した土が乾燥して、風が吹いたときに(一番いい土が)飛ばされてしまう現象です。
あ、そのニュースは僕も覚えています。それに、黄砂も年々多くなっている気が…
私は、日々土をいじっているので、皆さんよりダイレクトに分かってしまいます。
不耕起栽培は、耕さないことで土の水分を保持します。実は、有機農法にも少し煙たがられるような農法ですがアメリカでは既に7~8割行われている栽培方法です。
そうなんですか!
不耕起栽培は、生産性が上がらないと言われていますが、10年取り組んで来て、不耕起でもしっかり作物が取れるようになってきました。ただ、不耕起では例えばキャベツの隣に別の野菜植えて…と、多様性が必要になります。普通の農法はキャベツ1種類をたくさん植えますので、効率の問題で、収穫量は見劣りしてしまうんです。
世界ではサステナブル(持続可能)より一歩進めたリジェネラティブ(環境再生型)という考え方も広まっていて、環境活動に先進的なパタゴニア(衣料品メーカー)がリジェネラティブオーガニック認証(ROC)を始めています。
なかなか、農家さんで今の農法を不耕起栽培に切り替えることは難しいことは分かっています。ですから、家庭菜園や小さなところから活動を広めたい。まずは、有機JAS(農林水産省)を取ることを頑張ろうと思っています。
長谷川さんは、JA神奈川つくいの青壮年部理事を務めていらっしゃいます。
JA神奈川つくいの広報誌に掲載されました。
肥料や農具の販売をしているJAが長谷川さんの「不耕起栽培」の記事を掲載することはとても先進的なのだそうです。
一歩ずつ、活動が進んでいるんですね。
これからも地球にやさしい農法で美味しい野菜を作ってください!